岩槻区

94.都市化から取り残された岩槻駅舎

周りから高層ビルが覆い被さるように迫ってくる中で、今もやさしい趣で人々を迎える東武野田線の岩槻駅舎。特に古い建物ではないが、城下町岩槻の佇まいを大切にしたまちづくりのために残しておきたい風景だ。 map:x139.697189193789y35.9466964374183:map:h…

18.元荒川と第六天神社の春

岩槻の大戸、元荒川の河畔に第六天神社がある。広い河原には若草が繁り、土手の上の桜も満開だ。 でも、こんな風景も今のうち。あと少しして毎年四月十日には、すぐ下手にある末田須賀堰が田植の準備に合わせて締め切られ、満々と水を湛えた元荒川になる。季…

34.岩槻城址公園、八つ橋の桜

岩槻城址公園は、春にはおよそ六百本の桜が咲き誇る。朱塗りの八つ橋と爛漫の桜が、菖蒲池の川面に映ったこの眺めは、“城下町いわつき”を象徴する風景である。 四月初旬の「岩槻城址公園桜まつり」では、琴の演奏、和太鼓の競演、植木市、夜は流れ提灯のライ…

35.茅葺屋根の願生寺と桜

岩槻駅近く、市街地の真只中にある願生寺は、「茅葺のお寺」として岩槻の人々に親しまれている。春には、本堂前の桜の古木が見事に花を付け、花見客も訪れる。 夕方、本堂の灯りが障子に映ると、なんとも奥ゆかしい平和な雰囲気を醸し出す。往時の岩槻城下の…

47.時の鐘の春化粧

「岩槻に過ぎたるものが二つあり、児玉南柯と時の鐘」と詠われた時の鐘が、早咲きの桜の花の香りに包まれ、音色もひときわ冴え渡りそうだ。 江戸幕府が上野、川越とここ岩槻のものを特に優れた「時の鐘」として認めていたほど、この鐘は音色が特に優れ、四里…

48.春近し、岩槻遷喬館

遷喬館は岩槻藩に仕えていた儒者、児玉南柯が一七九九年(寛政十一)、裏小路(現岩槻区役所の裏を東西に走る小路)に開いた家塾。のち藩校となる。県内で当時の姿のままで保存されている藩校はここだけで、一九三九年(昭和十四)、県の史跡に指定された。 …

58.久伊豆神社の黒奴おどり

岩槻の総鎮守、久伊豆神社の黒奴が五十四年ぶりに復活し、二〇〇八年秋の例大祭において奉納された。江戸時代、岩槻の黒奴は日光の赤奴、甲府の白奴とともに日本三大奴と称され、久伊豆神社の由緒ある神事として十年ごとに盛大に行われていた。 岩槻が徳川親…

60.慈恩寺・玄奘祭・稚児行列

岩槻、元荒川の北にある名刹慈恩寺では、毎年五月五日こどもの日に玄奘祭が行われる。慈恩寺から田んぼを隔てた十三重の塔までの約一キロメートルを、孫悟空に扮した可愛い子供たちが模造の白馬とともに練り歩く。 境内において、大人の扮した猪八戒、沙悟浄…

61.岩槻の流し雛、まちかど雛めぐり、人形供養祭

春まだ浅き頃、城下の古民家に飾られた古いお雛様、店先に並べられた新しいお雛様を見て回る「まちかど雛めぐり」、新緑に囲まれた岩槻城址公園の菖蒲池で子供たちの健康、幸せを祈って行われる「流し雛」、そして、銀杏が黄金色に染まる頃、公園傍の人形塚…

3.知られざる自然、平林寺赤坂沼

赤坂沼は岩槻区平林寺と馬込の境界付近の元荒川の右岸にあり、岩槻の台地と元荒川の間にひっそりと残された沼地。元荒川の氾濫で形成され、取り残されたところのようにも見える。 今新座にある平林寺がかつてあった台地側は緑も豊かで、恐らくこの沼地に湧水…