見沼区

74.首都高・見沼インターから新都心へ

高速埼玉新都心線のさいたま見沼出入口から新都心までのダイナミックな高速移動風景。 見沼田圃の上を右に左にカーブしながら走り、新都心高層ビル群に吸い込まれていく感覚が新鮮だ。夕暮れ時には、行く手の高層ビル群がシルエットでくっきりと浮かび上がる…

89.鉄道のまち大宮を支える、JR東大宮車両基地

特急電車等の在来線の車両が整備されて出番を待つ。この広大な車両基地を訪れる人は多くないが、鉄道のまちと電車で行き交う人々の暮らしを陰で支える施設の風景だ。 訪問者で賑わう鉄道博物館、大宮総合車両センター(旧大宮工場)を合わせたこれら三施設は…

93.時代の変遷を表徴する住宅群

取り壊しを待っている老朽テラスハウス、中層のアパート、最近建て替えられた高層アパート。見沼区の東宮下地区は公的な住宅が集まっているところで、高度成長期から現在まで、時代ごとのさまざまなタイプの集合住宅が重層して立地している。 どんな住宅がよ…

22.葦原が残されている加田屋川

見沼田圃の東側の角の部分、加田屋田圃の真ん中を流れている加田屋川。この辺りは、見沼田圃の中でも一番田んぼが残っている所だ。意図的に刈り残された葦原は、水鳥や魚の避難所となる。生き物に優しい風景は、同時に美しい風景でもある。 川と水路、田んぼ…

27.旧坂東家「見沼くらしっく館」の餅つき

見沼田圃の傍に、江戸時代の生活空間を再現した施設がある。現在ではなかなか見ることが出来なくなった行事や暮らしの様子を、市民が体験できる。 解体修理の際、別の場所に移す案もあったが、現地保存することになった。古民家は、元々の環境と一体に残され…

28.柿木のある農村風景

見沼田圃に近い台地上、大和田の典型的な農村風景。広い畑を前にした長屋門のある農家、背後の鬱蒼とした屋敷林、そして道端にはかつて柿渋を取った柿木が並ぶ。渋柿ゆえにカラスも食べずに熟すままだ。 長屋門脇のムクノキの大木は、おそらく田んぼがあった…

29.見沼、膝子の「フナノ」復活

二〇〇八年秋、「フナノ」と呼ばれる稲藁積みが五十年ぶりに再現された。 使用した藁は約一〇トン。縦四メートル、横一・八メートル、高さ二・七メートルの舟形で、フナノの呼称もそこから。屋根の両脇には獅子頭を模した飾りもある。 この辺りは見沼田圃の…

30.見沼市民農園の米づくり

見沼田圃でも、土地を持たないNPOによる市民農園が誕生した。さいたま市及び関東農政局管内で第一号。それも水田版はおそらく全国初だろう。見沼代用水末端水路のごみ拾いや農家を助ける援農が実を結んだという。 農繁期は米作り、農閑期は斜面林を整備し…

36.加田屋新田、見沼用水東縁の桜

日光御成道と並行して流れる見沼代用水東縁の土手に植えられた桜。この桜並木は相当長い。桜の花回廊は、七里自然公園辺りから真っ赤な見沼弁財天を過ぎて、さらに見沼自然公園へと続く。対岸を見れば、西福寺の伽藍は森の中である。 見沼には桜がよく似合う…

40.風車と桜と菜の花と

見沼田圃、見晴公園の前を流れる代用水西縁に架かる橋の突端に、八角形の洒落た風車塔がある。やさしく吹き抜ける見沼の風はゆっくりと風車を廻し、やがて散りゆく桜の花びらは風車の羽根にまとわりついて菜の花畑に舞って行く。こんな風景を楽しめるのはほ…

51.風渡野郷、大円寺と高層マンションの対比

大円寺は明治初期に風渡野学校が置かれた由緒あるお寺だが、その周辺は次々と開発されて緑も減少した。突然出現した十五階のマンションは、見沼区で一番の高層建築物である。 大円園寺の正面に立てば、本堂の左奥に十五階建てマンション、右手前の庭園には十…

52.タイムスリップする薬王寺

薬王寺は江戸時代の島村にあって眼病に霊験があるとされ、足立坂東第十番札所として信仰をあつめてきた。かつて祭礼日には寺をめざす人々が行き交い、川越道、岩槻道に露店が連なり大いに賑わったという。 現在の薬師堂は一九三五年(昭和十)の再建だが、屋…

59.ささら獅子舞の風景

南部領辻の見沼代用水東縁沿いに小さな鎮守の森がある。そこに鎮座する鷲神社では毎年五月と十月、ささら獅子舞が奉納される。 「ささら」がリズムを刻み笛の音が響き、天狗の前で龍の頭の獅子三頭が勇壮に舞い、この時ばかりは木立の中がハレの舞台に変わる…

66.見沼田圃に浮かぶ新都心

見沼田圃の広がりと芝川、そこを走り抜ける高速道路とその先の新都心。農地から街そのものを遠望するという視点も面白く、地域の骨格をなす要素が織りなす、ダイナミックでさいたま市らしい風景である。 巨大な街のシンボリックな容貌を絵のように実感できる…

1.生物たちを育んでいる芝川と斜面林

芝川と大宮台地の高低差は五から八メートル程。その斜面の緑がスケール感のある眺めを提供している。まとまった斜面林は生き物すべてに安らぎを与える。 見沼代用水西縁からの水は田圃を潤して、芝川の水環境維持に寄与している。「わしやま橋」という名前は…

6.ゲリラ豪雨後の第七調節池

見沼田圃の中、大宮第二公園にある芝川調整池のひとつ。 普段は瓢箪池でへら鮒を釣る人、芝生で遊ぶ親子連れ、花火をする若者グループなどで賑わっているが、大雨で芝川の水位が一定レベルに達すると越流堤から水が流れ込む。二〇〇八年八月のゲリラ豪雨のと…

7.見沼自然公園の蓮池

ここは見沼田圃の真ん中、おおむね元の田圃の地盤のまま、さして大きな施設もないのどかな公園だ。南側の池やビオトープの部分は、往時の見沼の自然と原風景を再現したものと言える。ちょっと雨が降ると、公園全体がぐしょぐしょになるのも好ましい。 夏の日…

9.丸ケ崎から見る現代都市・アーバンみらい

近年のさいたま市での大規模開発は、概ね低地部農地を埋め立てて行われた。アーバンみらい東大宮はその典型だ。耕地整理で整った丸ヶ崎田んぼから望む高層住宅群は、田園の中に浮ぶ島のようだ。 秋の収穫期、高齢の農夫がコンバインで稲を刈る周りにはシラサ…

10.見沼田圃、彼岸花、台地端の寺・西福寺

見沼田圃に面した台地の突端に位置する社寺は数多く有るが、加田屋新田に突き出た岬の端にある西福寺はその代表格といえる。膝子地区側からの眺めは、見沼代用水東縁の土手に咲く彼岸花、黄金色の稲穂、その先に近年建て替えられた西福寺本堂の伽藍が印象的…

12.見沼の谷戸、尾島家の佇まい

見沼田圃は、リアス式海岸のようなギザギザの舌状台地に囲まれている。奥まった入り江は「谷戸」と呼ばれ、見沼区御蔵の尾島家もこの谷戸にある。 谷戸の雑木の芽吹きを皮切りに陽だまりに花々が咲き乱れ、辺りの緑が濃くなれば下の畑でブルーベリーが可憐な…