06.祝祭、イベントの風景

55.大宮氷川神社の夏祭り

盛夏の訪れを感じる大宮氷川神社の例大祭。 八月二日に行われる橋上祭は、神様を橋の上でおもてなしする神事で、召人に選ばれ黄色の水干を着た一般市民の姿に、神社境内は平安時代の風景になる。 山車や神輿も楽しいが、伝統ある祭事を見て古代からの信仰に…

56.歳の市の賑わい

さいたま市の年末は歳の市で彩られる。さまざまな食べ物の夜店、熊手やダルマを売る店がひしめくように並び、境内もまちも普段とまったく違った風景になる。デジタル時代の若者たちが、大勢繰り出してくるのも不思議だ。 十二月十日が大宮氷川神社の十日市(…

57.昔の面影を残す秋葉神社の祭り

四月と十二月の十八日は、火盗除けで有名な秋葉神社の例大祭。農具や包丁などが並ぶ鍛冶屋、活きた鯉を捌く露店などには遠く県北からも多くの人が訪れる。 神社の御利益もさることながら、これだけの懐かしい露店が並べば、自ずと人は吸い寄せられるような気…

58.久伊豆神社の黒奴おどり

岩槻の総鎮守、久伊豆神社の黒奴が五十四年ぶりに復活し、二〇〇八年秋の例大祭において奉納された。江戸時代、岩槻の黒奴は日光の赤奴、甲府の白奴とともに日本三大奴と称され、久伊豆神社の由緒ある神事として十年ごとに盛大に行われていた。 岩槻が徳川親…

59.ささら獅子舞の風景

南部領辻の見沼代用水東縁沿いに小さな鎮守の森がある。そこに鎮座する鷲神社では毎年五月と十月、ささら獅子舞が奉納される。 「ささら」がリズムを刻み笛の音が響き、天狗の前で龍の頭の獅子三頭が勇壮に舞い、この時ばかりは木立の中がハレの舞台に変わる…

60.慈恩寺・玄奘祭・稚児行列

岩槻、元荒川の北にある名刹慈恩寺では、毎年五月五日こどもの日に玄奘祭が行われる。慈恩寺から田んぼを隔てた十三重の塔までの約一キロメートルを、孫悟空に扮した可愛い子供たちが模造の白馬とともに練り歩く。 境内において、大人の扮した猪八戒、沙悟浄…

61.岩槻の流し雛、まちかど雛めぐり、人形供養祭

春まだ浅き頃、城下の古民家に飾られた古いお雛様、店先に並べられた新しいお雛様を見て回る「まちかど雛めぐり」、新緑に囲まれた岩槻城址公園の菖蒲池で子供たちの健康、幸せを祈って行われる「流し雛」、そして、銀杏が黄金色に染まる頃、公園傍の人形塚…

62.蔵のまちコンサート

与野本町通りの蔵の前庭を利用した「蔵のまちコンサート」。普段はあまり人だまりを見ない通りに、この日は五百人もの住民が集まる。 中央区区民会議のまちづくり推進のアイデアから生まれ、区民、商店会と行政の協働で毎年秋に開催、今では住民の間に定着し…

63.けやき広場の紅葉に映えるスーパーアリーナ

十二月八日はジョンレノンの命日。さいたま新都心けやきひろばでは、この十年来その命日を偲んで、埼玉のミュージシャンによる「Love&Peaceコンサート」が開かれている。 スーパーアリーナの幾何学的な造形の前で、けやきひろばの欅が、少し季節は遅いが見…

64.アートフルゆめ(希望)まつり

桜が咲き始める三月末、大宮のまちのいたる所にアートの花が咲く。ジャズ、吹奏楽、バンド、アカペラ、僧侶の声明、民族音楽に、似顔絵、水彩画。 二〇〇八年に始まった「アートフルゆめまつり」は、市民が企画し市民が運営している市民のまつり。色彩豊かな…

65.Jリーグの興奮

真っ赤なサポーターで埋まる埼玉スタジアム二〇〇二、オレンジに染まるNACK5スタジアム大宮。シーズン中はほぼ毎週どちらかで試合が行われる。数万人の観客を収容するスタジアムは、興奮のるつぼと化す。 サッカー観戦は単なるスポーツ観戦ではない。人々の…