04.四季を表す風景

34.岩槻城址公園、八つ橋の桜

岩槻城址公園は、春にはおよそ六百本の桜が咲き誇る。朱塗りの八つ橋と爛漫の桜が、菖蒲池の川面に映ったこの眺めは、“城下町いわつき”を象徴する風景である。 四月初旬の「岩槻城址公園桜まつり」では、琴の演奏、和太鼓の競演、植木市、夜は流れ提灯のライ…

35.茅葺屋根の願生寺と桜

岩槻駅近く、市街地の真只中にある願生寺は、「茅葺のお寺」として岩槻の人々に親しまれている。春には、本堂前の桜の古木が見事に花を付け、花見客も訪れる。 夕方、本堂の灯りが障子に映ると、なんとも奥ゆかしい平和な雰囲気を醸し出す。往時の岩槻城下の…

36.加田屋新田、見沼用水東縁の桜

日光御成道と並行して流れる見沼代用水東縁の土手に植えられた桜。この桜並木は相当長い。桜の花回廊は、七里自然公園辺りから真っ赤な見沼弁財天を過ぎて、さらに見沼自然公園へと続く。対岸を見れば、西福寺の伽藍は森の中である。 見沼には桜がよく似合う…

37.鴻沼川の桜並木の向こうに新都心

埼大通りが鴻沼川を渡る辺りから鈴谷小学校の脇を川沿いに歩いていくと、やがて正面に新都心を望むようになる。春、この辺りの水路は桜のトンネルのようになり、新都心に吸い込まれていくように見える。 実際には鴻沼川が新都心に向う訳ではない。この川は大…

38.円乗院と樹齢三〇〇年の千代桜

円乗院本堂に向って右側、大日如来像のすぐ先にある千代桜。エドヒガンの変種のしだれ桜で、枝が地面に接するほど垂れ下がり、円形桃色の美しい花を枝いっぱいに咲かせる。 この時期、多くの市民が訪れ、花と多宝塔の取り合わせをカメラに収めている姿が見ら…

39.宮原駅東口の桜並木

普段は何の変哲もない駅前通り。JR宮原駅東口からちょっと歩いて十七号国道を渡ると、やがて桜のトンネルが始まる。 春爛漫、この道を行く車は、皆ことさら速度を落とし、散策する人たちの顔ぶれも多彩になる。桜並木は全長約六〇〇メートル余り、束の間の…

40.風車と桜と菜の花と

見沼田圃、見晴公園の前を流れる代用水西縁に架かる橋の突端に、八角形の洒落た風車塔がある。やさしく吹き抜ける見沼の風はゆっくりと風車を廻し、やがて散りゆく桜の花びらは風車の羽根にまとわりついて菜の花畑に舞って行く。こんな風景を楽しめるのはほ…

41.田島ヶ原 サクラソウ自生地

田島ヶ原は、三月の下旬から四月の下旬まで、可憐な淡紅色のサクラソウで彩られる。四月下旬にはサクラソウ祭りが開催され、多くの人で賑わう。 サクラソウの開花後は緑の絨毯となる。チョウジソウ、ノカラマツの希少種やノウルシなど二百五十種が自生してい…

42.武蔵野の面影、西新井ふるさとの緑の景観地の若葉

かつての大宮台地は、武蔵野の雑木林と開拓農地等が広がる、いわゆる里地・里山と呼ばれる地域だった。ここは、武蔵野の雑木林として残っているものでは市内最大級のまとまりで、若葉の頃には、眩しいほどに明るく、大宮台地の昔を偲べる場所だ。 隣の「花の…

43.見沼代用水西縁、ヤブカンゾウ自生地

県立浦和西高等学校の背後にある見沼代用水西縁に架かる正樹院橋から用水の流れに沿って桜並木の土手が続く。六月の下旬から七月の初めにかけて、この土手の斜面にユリに似た自生のヤブカンゾウの花が咲く。 この時期、花見の時と違い静かな散策路になってい…

44.真夏公開の「水の流れる段床」の水遊び

夏の日盛りに市役所の脇を通ると、場違いな子供たちの歓声が響く。市庁舎東側広場の「水の流れる段床」から聞こえてくるのだ。真夏の七月一日から九月十五日の間、この段床には水が流され、幼児の大人気スポットになっている。お母さんたちは、上段のケヤキ…

45.生研センター、樹木の四季

鴨川の東側台地上にある生研センターの広大な敷地、古くから農林関係の機関が使っていた場所なので、公園などとは異なり木々がとても伸びやかだ。 四季を通じて多様な樹木の姿を楽しめる。春の桜、新緑の木漏れ日も素敵だが、晩秋の頃、正門から本館へと続く…