01.元々の地形や自然を表す風景
芝川と大宮台地の高低差は五から八メートル程。その斜面の緑がスケール感のある眺めを提供している。まとまった斜面林は生き物すべてに安らぎを与える。 見沼代用水西縁からの水は田圃を潤して、芝川の水環境維持に寄与している。「わしやま橋」という名前は…
沼のほとりを/めぐりながら/神をおもふ 水面に映る/ひとひらの雲/羊の孤独(『冬日断章』より) と沼のほとりに住んだ詩人・神保光太郎に詠われ、古くから浦和の人々に親しまれた別所沼。今は、運動不足解消のためにジョギングする人、釣りをする人、遊…
赤坂沼は岩槻区平林寺と馬込の境界付近の元荒川の右岸にあり、岩槻の台地と元荒川の間にひっそりと残された沼地。元荒川の氾濫で形成され、取り残されたところのようにも見える。 今新座にある平林寺がかつてあった台地側は緑も豊かで、恐らくこの沼地に湧水…
大宮台地南縁、台地と低地の境に位置するこの沼は、古く拳沼(こぶしぬま)と呼ばれていた。雨の日に巨人が転んで拳をついたところに水が溜ってできた沼と伝えられている。 ひっそりと落ち着いた佇まいで、地域の人々にとっては、古くから親しんだかけがえの…
大宮台地には多くの谷戸がある。ここは江戸時代から「流れ耕地」と言われ、旧川越道で大雨の時には渡れない難所だった。谷戸際の馬頭観音がそのことを教えてくれる。 この湿地は、夏に背丈を超える葦が生え、鳥たちの楽園となる。秋葉の森総合公園の区域内だ…
見沼田圃の中、大宮第二公園にある芝川調整池のひとつ。 普段は瓢箪池でへら鮒を釣る人、芝生で遊ぶ親子連れ、花火をする若者グループなどで賑わっているが、大雨で芝川の水位が一定レベルに達すると越流堤から水が流れ込む。二〇〇八年八月のゲリラ豪雨のと…
ここは見沼田圃の真ん中、おおむね元の田圃の地盤のまま、さして大きな施設もないのどかな公園だ。南側の池やビオトープの部分は、往時の見沼の自然と原風景を再現したものと言える。ちょっと雨が降ると、公園全体がぐしょぐしょになるのも好ましい。 夏の日…
滝沼川、中釘川、辻川の合流地点近くの谷戸にある多目的調整池。この辺りは内水氾濫常習地だ。普段は子供の遊び場、グラウンドは公民館の利用調整でサッカー、グラウンドゴルフ等が盛んである。春には桜祭りで賑わう。 谷戸の地形をそのままに日常と非常時の…
近年のさいたま市での大規模開発は、概ね低地部農地を埋め立てて行われた。アーバンみらい東大宮はその典型だ。耕地整理で整った丸ヶ崎田んぼから望む高層住宅群は、田園の中に浮ぶ島のようだ。 秋の収穫期、高齢の農夫がコンバインで稲を刈る周りにはシラサ…
見沼田圃に面した台地の突端に位置する社寺は数多く有るが、加田屋新田に突き出た岬の端にある西福寺はその代表格といえる。膝子地区側からの眺めは、見沼代用水東縁の土手に咲く彼岸花、黄金色の稲穂、その先に近年建て替えられた西福寺本堂の伽藍が印象的…
朝の散歩。遊歩道を抜け武蔵野線のガードをくぐると、広々とした公園風景が目の前に広がる。水に映し出された空と、こんもりとした樫の木立が出迎えてくれる。 桟橋を渡り、水辺に集う鴨や亀を眺めながら、大樹に抱かれるように木陰のベンチに腰を下ろせば、…
見沼田圃は、リアス式海岸のようなギザギザの舌状台地に囲まれている。奥まった入り江は「谷戸」と呼ばれ、見沼区御蔵の尾島家もこの谷戸にある。 谷戸の雑木の芽吹きを皮切りに陽だまりに花々が咲き乱れ、辺りの緑が濃くなれば下の畑でブルーベリーが可憐な…
大宮公園のボート池は、初日の出、雪に花そして月と、四季折々の風情を見せる。 元は見沼田圃から台地深く入り込んだ谷戸の田圃だった所。本多静六博士の公園改良計画により、下手の競技場部分を埋め立てるとともに舟遊池がつくられた。従来の地形に基づいた…
秋ヶ瀬公園は、秋ヶ瀬橋から羽根倉橋までの荒川堤外地にあり、緑と水が織りなして風景が美しい公園である。 森林と草地は、多くの生物を育んでいて、ハンノキ林は県の蝶であるミドリシジミの繁殖地となっている。初夏には雄の成虫の羽が緑色に光って飛ぶ様子…
大学のキャンパスが下大久保に移転してきてから四十五年、建物が徐々に装いを変える中で、正門から伸びる中央大通り西側の雑木林は今も大切に残されている。 市民にとって大学キャンパスは馴染みが薄いかもしれないが、来てみれば思った以上の緑のボリューム…